【こんな時は要注意!】低身長になる前兆と原因

【こんな時は要注意!】低身長になる前兆と原因

低身長のパターン・・・あなたの(子供の)低身長の原因は?

幼少時低身長・・・幼稚園に入ったときに小さい方である場合

「離乳食をあまり食べなかった」「幼少時、小食だった」「すぐに吐いてしまう子だった」「よく熱を出して、食べられない時期があった」などの理由で、幼稚園に入ったときに一番小さい方である、というのは要注意です。そのまま挽回できず、背が低いままということが非常に多いものです。何か対策を立てなければ、最終身長が男の子で165cmまで、女の子で152cmまでになってしまいます。親は一生懸命食べさせようとするのですが、子供の食欲は本能の影響下なので、なかなか食べてくれません。
なお、幼少時低栄養の場合次に記す思春期早発を併発することがしばしばです。その場合は、男の子なら155cm以下、女の子なら145cm以下でとどまってしまうこともしばしばです。

思春期早発・・・思春期が早めに訪れてしまった場合

思春期の最初の兆候は、男の子なら睾丸が大きくなる、女の子なら胸が膨らみ始める、というものです。その後、急に背が伸び始めます。小学校4~6年ぐらいから背が高くなり、学校で背の順に並んだときに、後ろに上がりはじめると、きわめて要注意です。「背が高くなり始めた」と喜んでいると中学生になるとほとんど伸びなくなり、皆に追い抜かれてしまうことになります。最終身長は、男の子で高くても167cmぐらい、普通なら160~165cmになります。女の子で高くても153cmぐらい、通常は145~150cm前後になってしまいます。
特に注意してほしいのは、幼少時低栄養のために、小学1~4年生まで1番前か2番目に並んでいたのに小学校5~6年に並ぶ順番が後ろに上がり始めた場合です。この場合、男の子なら155cm以下、女の子なら145cm以下でとどまってしまうこともしばしばです。
なお、思春期早発は遺伝の影響を受けます。両親の一方が思春期早発で背が低い場合、子供も思春期早発を起こしやすいと思っていいでしょう。

成長ホルモン分泌少量

幼少時低栄養でもなく、また思春期早発でもないのに背があまり伸びないというケースもあります。「あの頃が思春期だった」という明確な時期がありません。このような場合、「成長ホルモンの分泌量が少なかった」というケースが考えられます。少しは出ているから病的な「成長ホルモン分泌不全性低身長症」とは診断されません。でも、分泌量が少ないのです。そのために背の伸びが悪いのです。

小学校時代の小食

小学生の頃に食が細くてあまり食べず、背がなかなか伸びないうちに思春期を迎えてしまうというパターンがあります。
この場合、子供の本能であまり食べないということもありますが、実際の相談を聞いていると、「野菜嫌いの子供に、教育の都合上、野菜をしっかり食べさせようとして、その結果、子供が食事を嫌うようになった」というパターンが意外と多いのに驚かされます。

思春期栄養不足・・・ダイエットなどによる栄養不足の場合

思春期に極端なダイエットをおこなったために背が伸びなかったというパターンです。
中学2年生まで普通に伸びていたのに、急に激しいダイエットに取り組んだため、背の伸びがぴたりと止まってしまった、というパターンです。

思春期の夜更かし、寝不足・・・成長ホルモンは夜11時から深夜2時の間に分泌される

「なぜ伸びなかったのだろう。不思議だなあ」という場合に、「どうも原因は思春期の夜更かしや夜食のようである」と最終的に診断せざるを得ないこともあります。
自己の成長ホルモンは夜の11時から深夜2時の間に分泌されます。夜ふかしや夜食のために、その自己分泌が減ったのであろう、と思わざるを得ないケースが稀ではありますが、存在します。

成長ホルモンへの反応力不足

成長ホルモンはしっかりと出ているし、幼少時低栄養でもないし、思春期も早くなかった。食も細くなくしっかりと食べている。それなのになぜか背がなかなか伸びない、というケースが実際に存在します。
この場合は、骨端線が成長ホルモンに対して反応を起こしにくい、というのが原因としか考えられません。もしかすると遺伝が関係しているかな、と思えるケースもあります。

「今の身長が平均より低い、あるいは、最終身長が低くなりそうだ」という場合、必ず原因があります。成長ホルモンの分泌不全が原因である、というケースはめったにありません。ほとんどの人が下記の原因のどれかです。

  • ミルク、離乳食をあまり摂取せず、4歳0か月の時点で100㎝より低かった →「幼少時低栄養」です。
  • 4歳まで、動き回る割にあまり食べなかった
  • 学校でいじめにあっていた → 本来は1年で5~6㎝伸びるところが、2~4㎝になってしまいます。
  • 両親不和、引っ越しでの環境激変があった → 本来は1年で5~6㎝伸びるところが、2~4㎝になってしまいます。
  • ハードに運動した後、食欲がなくなって、あまり食べなかった → 水泳、クラシックバレエ、剣道、サッカー、野球などで多いです。運動後の摂食量が減ると、伸びを極端にロスします。
  • 小学校の頃、朝食を抜いていた → 学童の午前中の消費エネルギーは大きいので、身体が飢餓を認識し、健康を守るために背の伸びを極少にします。
  • 「よく伸びる2年」でダイエットに取り組んだ → 伸びを大きくロスします。クラシックバレエに多いです。
  • 「よく伸びる2年」が早く来た → 遺伝の影響が大きいですが、4歳までに大病をした時も早く来ます。
  • 小学校5年、6年で並ぶ順番が後ろに行った → 「よく伸びる2年」が早く来てしまった場合です。
  • 中学時代に抜かされた。高校ではほとんど伸びなかった → 「よく伸びる2年」が早く来てしまった場合です。
  • 生理が早く(9歳~11歳)始まった → 「よく伸びる2年」が早く始まっていたということです。
  • 大豆食品を食べ過ぎた → 「止まりゆく3年」の伸びが、急に止まることがしばしばです。

背を伸ばすためにやってはいけない生活習慣

運動したあとに食べないで寝てしまう

「背を伸ばすためには、どんな運動がいいですか?」という質問をよく受けます。答えは、「どんな運動でもいいです。ただし、運動後にはしっかりと食べてください。ヘトヘトになるまでに運動した後に、疲れ果てて食べないで寝てしまう、というのは絶対にいけません」です。
「疲れ果てて食欲がなくなり寝てしまう」というパターンに陥りやすいスポーツは、水泳とクラシックバレエです。この2つをお子様に取り組ませている場合は、運動量を上回るだけ、しっかりと食べているかどうかを十分にチェックしてください。

朝食を抜く

子供には体育の時間などがあり、午前中のエネルギー消費が大きくなります。午前中のエネルギーは、朝食で口から摂取して、血液中に高まった糖分で補うのがいいです。朝食を抜くと、体内の蓄積脂肪や肝臓内のグリコーゲン分解でエネルギーを得ようとします。身体にその化学反応を起こさせると、背の伸びを鈍化させてしまいます。

ダイエット

背が伸びる時期は、多少太っているからと言っても、ダイエットに取り組んではいけません。

特に第二次性徴期の「よく伸びる2年」にダイエットに取り組むと、必ず大後悔することになります。太っている場合は、食べ物の種類を変えることが大切です。炭水化物や脂肪を少なくして、たんぱく質をしっかりと食べるようにしてください。菓子類は、炭水化物、脂肪を主成分としていますので、太り気味の場合は絶対にやめなければいけません。

夜ふかし

特に、背の伸びが止まり行く時期の夜ふかしはいけません。急に背の伸びが止まってしまうことがしばしばです。
逆に背の伸びが止まりかけていても、ニュージーランドやオーストラリアなど外国に留学すると、ひと伸びして帰ってくることがしばしばです。ホームステイ先が、午後9時ごろに寝てしまうので、やむを得ず午後9時半ごろに寝るようになります。そうすると、背の伸びが止まりかけていても、さらに、ひと伸びするのです。早く寝ると言うのはそれほど重要です。成長ホルモンの分泌が高まるのは確かですが、それ以上に骨端線部の軟骨レベルの増殖能力が高まるような印象を受けます。11~12歳の中学受験期の夜ふかしは、しっかりと食べていれば大丈夫のようです。

激しすぎる運動

一般に激しすぎる運動をしても、しっかりと食べれば大丈夫です。しかし、背の伸びが止まり行く時期は、猛烈に激しい運動を数日続けるだけで、その後に背の伸びがピタッと止まってしまうことがしばしばです。背の伸びが低下してきたと思ったら、できることなら激しい運動は避けてください。

止まりゆく時期の大豆食品摂取

大豆にはイソフラボンという成分が含まれています。これは確かに女性ホルモン様作用を有しています。背が止まりだした時期に、納豆、味噌汁、豆腐、豆乳、枝豆などの大豆食品を常食すると、伸び率が低下し、最後の伸びをロスします。男は声変わり後、女は生理が始まりそうになったら、大豆食品の摂取は控えるようにしてください。しょうゆなどの調味料は少量にとどまりますので、摂取してもかまいません。止まり行く時期以外の大豆摂取は問題ありません。

止まりゆく時期のカルシウムサプリメント

背が止まりゆく時期は、骨端線部位の軟骨細胞を十分に肥大化させてから骨化させるのが、正しい背の伸ばし方です。カルシウムを過剰に摂取すると十分に肥大化する前に骨化する可能性があります。したがって、カルシウムの過剰摂取は望ましくありません。食品から普通に摂取されるカルシウムはOKですが、サプリメントなどであえてカルシウムを取らないようにしてください。ただし、あくまで止まりゆく時期のことです。伸び盛りの時期や、園児、学童期はおおいに摂取してかまいません。

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風本真吾医師
このホームページの著者 風本真吾医師のプロフィール
(一社)日本健康教育振興協会・「健康を守る秘書室」室長

平成元年:慶応義塾大学医学部卒業。医師免許取得
平成3年:慶応義塾大学医学部大学院入学 
平成4年4月~:29歳で、慶応病院の内科外来を担当。 
平成4年9月:四谷メディカルサロン(現「四谷メディカルクリニック」)開設。プライベートドクターシステムを始める。以後、病気でない人への診療体系(健康保険が使えない)として、マジンドールダイエットシステム、プラセンタ医療などの研究に取り組む。
平成5年~:セミナー、講演を基に、健康教育事業の規模拡大へ。 
平成7年:「一億人の新健康管理バイブル」(講談社)を執筆。 
平成11年:浅井企画に所属し、テレビ出演多数。この頃に、マジンドールダイエット医療、プラセンタ医療を完成させ、さらに、成長ホルモン医療、子供の背を伸ばす医療の研究に取り組む。また、診療現場への栄養素品(サプリメント)の導入を本格的に研究し始める。 
平成12年:「お使者さんが考えた朝だけダイエット」(三笠書房)を執筆。60万部突破のセラーへ。 
平成13年以後:多数の著作を執筆。「健康管理の学問化とその学問に基づく実践指導」「全国民の健康、人体、医療に関する知識の向上」「医療構造改革の実現」などを標榜し、病気でない人への診療システムを充実させると同時に、診療現場への栄養素品(サプリメント)の導入を推進させた。自ら運営するクリニックが日本中(大阪、名古屋、広島、福岡、沖縄など)に広まったところ、医療社会の関係筋から様々な迫害を受けたので、四谷メディカルクリニック一つの運営に集中し、現在に至る。


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